2月27日 本日のお魚情報
『きんきん』八戸港 水揚げ頻度活発化
 八戸港水揚げ「きんきん」の入荷頻度が徐々に多くなってきました。八戸前浜のタラやイカを水揚げしていた漁船が千島列島沖方面に漁場を移し始めているのです。はえ縄やトロールなどで漁獲された鮮度抜群の「きんきん」はこの時期、産卵前とあって脂乗り抜群。刺身も可能とあってセリ場でもひときわ垂涎の対象となっています。八戸地方では、煮付けや焼き魚など祝い膳に上がる縁起の良い魚として知られ、また、良い出汁が出ることから「ひっつみ」(すいとんの一種)と呼ばれる郷土料理に使われます。もちろん「せんべい汁」にも。JR東日本CM「おとなの休日倶楽部・八戸の横丁篇」で吉永小百合さんが交わした会話に「きんきん煮付け・塩焼」が出てきたことでも話題になりました。横丁を始めとした八戸市内の飲食店を中心に楽しめます。
 このように今では高級魚の扱いを受けていますが1970年ごろまでは北海道で5,000t以上、東北でも3,000t以上の水揚げがあり、今のスケソウタラのように練り物・笹かまの原料、ひいては魚粉に利用されていたほどでした。それ以降、漁獲高は急激に減少に転じます。「きんきん」のような深海にすむ魚は一般に成長が遅く、成熟年齢が遅いため乱獲がたたり、近年では十分の一以下にまで落ち込んでしまいました。
 漁獲は産卵期直前の6月前まで続きます。思えば、3.11はこの「きんきん」の話をしていた数日後のことでした。今こうして「きんきん」の商売話ができることは本当に有り難いことです。販売方も身が引き締まる思いです。ハマの方々の尽力に深謝いたします。

 2012年2月13日 月曜日
『トゲクリガニ』
 今週も真冬日があり、今月いっぱいは雪の日が多いようです。毎日雪片付けに疲れ、春が待ち遠しく感じられます。
 そこで、今週のトピックスは旬が春の商材で桜まつりや運動会シーズンに好まれて食される「トゲクリガニ」を紹介致します。
陸奥湾の春を代表する味覚「トゲクリガニ」は、今月に入り数量が少ないながらも蟹田、野辺地、平内等の陸奥湾各地から活物が、ほぼ毎日入荷しています。例年、3月から5月にかけ水揚が増え、市場には活物や産地でボイルされた物が入荷してきます。また、旬を迎える4月から5月は青森県内の桜の時期と重なることもあり、ボイル物が花見ガニとして珍重され、観桜会などの場で食されニーズが最も高くなります。
サイズは大、中サイズが中心で、オス、メスに選別されます。4月過ぎると身入りも良くなりますが、今はまだ出始めk当り1,000円以下と比較的値頃感があります。漁法は主にかご漁、刺網漁で、生息地は東京以北の太平洋側、北海道日本海、そして陸奥湾で、特に陸奥湾の漁獲量が最も多く、昭和61年に137トンとピークでしたが、その後減少しここ数年は40トン前後の水準となっています。
 食べ方は昔ながらの茹でて食しますが、トゲクリガニのカニ味噌は美味!青森では桜まつりで食するトゲクリガニの方が毛ガニより美味しいと評価が高いと言われます。
 トゲクリガニを見かけたら、満開の桜木を思い描き、春が早く到来するのを待ち望みたいものです。

 2012年2月6日 月曜日
『スケトウダラ』
 2月に入り、節分そして立春を過ぎカレンダー上では春ですが、青森市内は稀に見る豪雪に見舞われ、日常生活にも支障をきたす状況が続いています。あと、約1ヶ月は雪と共存するしかないようです。
 今回は、冬の主役である『スケトウダラ』をご紹介します。津軽地区の鍋の主役といえば、じゃっぱ汁でも有名な真だらですが、たまには隣国の鍋料理「スケトウダラのチゲ鍋」など、如何でしょうか?
今はスーパー・量販店等で手軽に鍋が楽しめるよう、スープのバリエーションも豊富です。冬場の鍋は、寒い時期には体の芯から温まり、特にチゲ鍋は辛みが食欲を増進します。風邪に負けない体力づくりを、体の中から取り入れましょう!
 スケトウダラの日本における漁獲量は、北海道沿岸の1951年80万トンをピークに、ここ数年は30万トン前後で推移しています。今の時期は、噴火湾・羅臼方面が漁場となっており、秋口までの漁となります。
この時期、是非一度試してみましょう。