6月28日 本日のお魚情報
『マグロ競り』
 最近、近海セリ場の一角に多くのギャラリーが沸くことがある。本マグロのセリだ。青森市場では、本マグロはほとんど「相対」で販売される。浜で入札が行われ、産地出荷業者により荷受業者へ指値を付けて出荷。担当者は指値を基に販売をする。6月14日より開始されたマグロのセリは、通常の相対の商流をとらず、価格決定を受託させていただいた出荷者の同意で行われている。漁獲が日本海側の底網で行われているため、数量が多く見込めないものの、多いときは10箱以上セリ場に並ぶことがある。目利きをする買受人の視線が熱い。セリが始まると、相対ではほとんど買いが済んでいるにもかかわらず、なお、買受人たちは熱気を帯びる。結果、相対より高い価格が付くこともしばしば。水揚げ数量が多くなってしまえばセリ値も落ち着いてしまうのだが、時折、大きく出る価格はやはりセリの醍醐味。浜は、今後さらに大型の定置網を設置、水揚げを増やす意向だという。漁は10月まで。
 続く近海魚のセリにもさっきのマグロ競りの緊張感の余韻がまだ残っている。これからマグロの水揚げが増え、セリにはさらに熱がこもる。青森に夏が来る。
 2011年6月20日 月曜日
『アナゴ蒲焼』
 今年は例年と異なり、震災復興や節電対策の中での”暑い夏”が想定されます。日本人は江戸の昔から、夏バテ防止に『ウナギ』を食べる習慣がありますが、ウナギの稚魚であるシラスウナギの漁獲量は、昨年に続き2年連続の不漁に終わりました。昨年のウナギの国内供給量は、国産と輸入を合わせて7万3778トンで、ピーク時(平成16年)よりも4割以上減少し、今年はさらに減る見込みです。卸値も昨年比約2倍近くに高騰し、国産で約1.5倍、中国産で1.6〜1.8倍と今までにない相場状況になっています。
 そこで、今回は高騰しているウナギに変わり、『アナゴ蒲焼』をご紹介します。アナゴは5、6月に1尾が1千万粒もの細かい浮遊卵を産み、孵化して1年くらいはウナギの稚魚と同じように成長します。その姿はレプトセファルス(葉形幼生)と言われ、柳の葉のように平たく透き通っていて、シラウオを押しつぶした様な形をした幼生です。(機会がありましたら、インターネットで検索してみてください)
 寿司に、天ぷらにとファンの多い魚で、アナゴにはウナギと同様ビタミンAが豊富に含まれており、夏バテに対する抵抗力をつける効果があるとされています。丑の日は別としても、普段は『アナゴ蒲焼』で十分ビタミン補給が出来て、脂肪分はウナギの半分以下なので脂肪を気にしている方には、お勧めです。是非、お試ししてはいかがでしょうか!
 2011年6月13日 月曜日
『真鯛』
 6月も中旬に入り、日によっては初夏にふさわしい気候となった今日この頃、当青森市場の近海売場では天然真鯛の入荷が最も多くなっています。そこで、本日は古の時代より、ハレ型の祝いの魚の代表魚として好まれ食されてきた「真鯛」を紹介します。
 真鯛は沖縄を除き、北海道以南の日本各地、特に九州や瀬戸内海近海に多く、次いで日本海に多く生息します。本県では産卵のため陸奥湾を目指し、北上してくる真鯛が5月から増えていき6月に盛漁期を迎えています。
 6月の漁獲量は、本県年間の漁獲量の約3分の1と最も多く、県内の市町村別で見ると深浦町が約4割強を占め、次いで外ケ浜、中泊と続きます。漁法は、定置網と底建網が全体の8割を占めます。
今月はじめまでは、1尾2kアップサイズが中心でしたが、最近では1箱当たり4〜5kに5尾から10尾入りのものが多くなってきています。
 メニューは刺身をはじめ、一尾まるごと尾頭付きの塩焼き、鯛飯や鯛茶漬け、汁物では椀種、煮物、あら煮、タイちり、他にも粕漬け、味噌漬け、干物、サラダなど料理バリエーションは豊富です。
魚の王様といわれる天然真鯛が、扱い易いサイズで、さらにお手頃価格でお買い求めできる時期です。
今月のメインイベント「父の日」に、天然真鯛を使った料理で、お祝いしては如何でしょうか!
 2011年6月7日 火曜日
『スズキ』
 北海道南部から九州までの日本列島沿岸と、朝鮮半島東・南部、沿海州に分布しており、青森近海でも水揚げされています。白身魚では冬のヒラメ、春のマダイ、夏のスズキが代表格とされ、特に冬の産卵前のスズキは「ハラブト」と呼ばれ、脂が乗って珍重されています。
 総務省の2010年のデータによると、近畿地方の2人以上世帯ではタイを全国平均の4割強の年平均1035gを消費しており、関東地方の消費量の3倍にあたります。一方、関東ではマグロが築地の年間売り上げの2割を占めるほど多く食されます。データからも、関西では白身魚が珍重されていることがわかります。最大の水揚げ地、千葉の木更津からのスズキの多くは関西市場送りとなっています。
 水温が上昇し、青森でも河口近くで「シーバス釣り」が盛んになり、市場への入荷も増加しつつあります。食べ方は、定番の「あらい」のほか、成熟魚になる前のセイゴは焼き物、煮付けにも適しています。
 次第に気温が上がってくると水揚げされる魚種が少なくなってくるため、夏の味覚「スズキ」に注目される良い機会となることでしょう。