7月26日 本日のお魚情報
『ウナギ』
  今年は暑い「丑の日」となりました!昨年は梅雨も明け切らず肌寒い「丑の日」でしたので、今年こそはスタミナ食にふさわしい気温となり売れ行きが期待できるのでは?と思いたいのですが、今年は、近年以上にシラスウナギの漁獲が進まず高値での取引きが連日マスコミでも話題となっております。国産物はすでに庶民の食卓には高嶺の花となっており、これまでお求めやすいと思われていた中国産でも高値で推移している有様です。何かとお客様にはウナギでスタミナを付けて頂き、この不景気を吹き飛ばすためにもお求めになっていただきたいのですが・・・
 さて、このウナギ。完全養殖がどこまで進んでいるかと申しますと、折しも2010年4月8日「世界初のウナギの完全養殖に成功」のニュースが飛び込んで参りました。40年ほど前から人工孵化には成功しているものの、1999年5月20日の孵化から世界初の30mm程度のレプトケファレスと呼ばれる幼魚にまで水産庁養殖研究所が253日間の飼育に成功したのを皮切りに、612日を経た全長20cmのウナギにまで飼育できるようになり人工養殖用種苗に目途が付いたものです。決め手は養魚時のエサにサメの凍結卵を使用しているところ。
 「白いダイヤ」が過去のことになるのはいつのことか?人類の悲願ともいえる偉業です。

詳しくはこちらを参照してみてください。
http://nria.fra.affrc.go.jp/hakko.html
 2010年7月12日 月曜日
『ソウハチガレイ』標準和名ソウハチ
  本日は大衆魚 代表格のひとつ「ソウハチガレイ」を紹介します。
 生息域は、北は北海道から太平洋側では福島県以北、日本海側では島根県隠岐まで分布しています。生産量は北海道が最も多いですが、島根から兵庫にかけての山陰地方も一大産地となっています。その呼び名は、北海道はみなさんになじみの深い「ソウハチガレイ」、山陰から北陸にかけては「エテガレイ」と異なります。
 当市場の入荷比率は北海道が最も多く約7割を占め、通年入荷しており、次いで、山陰地方となっています。今の時期北海道噴火湾が入荷の主力で、ほか釧路、根室等の道東や日高から若干の入荷があります。サイズは大(1枚約300g〜250g)中心の入荷で、価格は比較的安値で、大サイズでも小売売価で平均g当たり100円以下となっています。
 ソウハチガレイは独特の臭いがありますが、干物にすると味の深みを増し食べやすくなります。鮮度が良いものは、煮付けにしても美味しく味わえます。
 北海道では「道民的なカレイ」として多く食されておりますが、本県でも食卓にあがる機会の多いカレイです。7月〜8月は、当市場に入荷する青森県産のカレイ類が大幅減となることから、この時期のカレイ類ではソウハチガレイが入荷の主力魚種となります。
 地域により異なりますが、根室産と共に噴火湾産も徐々に身が肥え、厚みを増してきます。行楽シーズンや1ヶ月後のお盆と出費がかさむ時期を迎えることから、お手頃価格で味わえるソウハチガレイを是非召し上がって下さい。
 2010年7月5日 月曜日
『時鮭筋子』春鮭鱒漁の副産物
  毎年5月の半ばを迎える頃、日本・ロシア合併200海里内鮭鱒協定の取り決めに伴い、2トン未満の小型船から大型船に至るまでが出漁します。通称、春鮭鱒と呼ばれこの時期根室・花咲・落石・釧路のそれぞれの浜が賑わいをみせ、メインは時鮭ですが、鱒やそれぞれの筋子が副産物として、水揚げされます。
 漁が始まると船の上は戦場と化し、船乗り達が10〜15kの木箱に塩だけを用いて卵を放り込み、漁師飯ならぬ漁師製品ということでしょうか。そのため通常の筋子生産工程の選別が無く、スタンダード等級からオフグレードの黒子やソフトがそれぞれの規格としてありますが、『時鮭筋子』についてはその限りでは無いようです。
 価格については、走りの時期は驚くほどの高値で取引きされキロ当たり1万円も珍しくなく、旬の味ということでこの時期だけの物となります。但し、現在は相場も落ち着き、小売価格はg298円辺りで量販できる値頃感があるので、一度扱ってみてはいかがでしょうか?!