1月31日 本日のお魚情報
『鰊(ニシン)』
 「春告げ魚」として大挙して3〜5月を中心に北海道の浜に産卵のため押し寄せたのは遠い昔のこと。昭和30年代には水揚げは激減。「ヤン衆」も姿を消し、輸入物に主役を奪われ、今では近海もののニシンは非常に高価なものとなってしまいました。しかし近年、資源保護、ふ化放流事業が功を奏し、水揚げが増えつつあり、北海道の日本海側を中心とした石狩系ニシンでは2,000t近くまで水揚げが回復するまでになる年も出てきました。
 ここ青森も「ヤン衆」の一角を占めた土地柄でもあることから、ニシンは身近な魚の一つ。焼き魚のほか、ミガキニシンなどの加工品にも非常に馴染みがあります。小骨が多く、焼き魚では子供達には今一つ人気がありませんが、料理法が実に多彩であることから工夫次第で好物にしてくれるでしょう。かつて先人の文化、食生活や農業をも支えたニシンへの感謝の意を子供たちにも受け継いでいくためにも、青森のニシン食文化を大切にしていきたいものです。
 
 2012年1月23日 月曜日
『アンコウ』
 先週21日(土)は大寒。例年、大寒に入る1月下旬に気温が最も低くなります。
 今年は1月に入ってから例年に無い大雪に見舞われ、先週1週間は雪も一段落しましたが、今週からまた雪が続きそうな予報となっています。気温の低下と大雪のダブルパンチで、体が冷え込む季節のメニューといえばやはり鍋が食卓の主役となります。今回は冬の味覚、西の横綱フグに対し東の横綱と称される『アンコウ』を紹介します。
 青森県における平成22年の漁獲量は764トンとフグの産地でもある山口県と共に全国トップ水準の水揚を誇り、文字通り漁獲量でも横綱級。県内の市町村別漁獲量では、八戸が303トンと群を抜き続いて風間浦村、むつ市、深浦町、東通村となっています。当青森市場にも陸奥湾、日本海、八戸、下北と県内各地から入荷しています。主力サイズは1尾10kから4k。今月の入荷数量は、平均日量約200kgで、価格ともに前年並みとなっています。
 代表的料理の共和えをはじめ、唐揚げ、和え物、蒸し物、トモ酢、昆布〆、そして鍋と和風メニューの他、肝を使ったあん肝ソテー等。アンコウの身は80%が水分と言われ、淡白で低カロリー。その上皮にはコラーゲンの他ビタミンも多く含み、風邪予防にもつながります。受験生をお持ちの家庭でも、是非「冬の味覚・アンコウ鍋」を夜の食卓のメニューにいかがでしょうか?
 風間浦村ではゆかい村鮟鱇まつりが開催され、冬のイベントの目玉となるなど、アンコウは11月から2月にかけての冬場に肝が大きくなり、旬の時期を迎えています。
 
 2012年1月16日 月曜日
『サクラマス』
 青森市の今冬の積雪量が、1月14日現在で124cmと早くも昨年の最深積雪130cmに迫る勢いで雪が降り続き寒波が居座っています。青森市の積雪気象データを調べてみると、昭和20年2月21日に209cmという観測史上もっとも多い積雪の記録がありますが、青森の冬はまだこれからが本番なのでこの先が気がかりです。また、海の状況も年明けから時化続きで、入荷量は少ない状態ですが、今回はこれから水揚が本格化する「サクラマス」をご紹介いたします。
 例年ですと、2月上旬から北海道噴火湾の釣り物からスタートし、3月・4月には津軽海峡で最盛期を迎えます。しかし今年はすでに漁が見え始めており、例年より半月程水揚げが早いです。早まった理由は特定できませんが、今年のような雪深い青森には、春を告げる「サクラマス」の到来は、感慨深いものです。春遠からず・・・と思いたいものです。
 魚体は今のところ2kアップ・3k箱(2〜3尾)が主体で、1日20〜50ケースの入荷があり、相場はk1500〜k800と昨年並みで、極端な変動はないようで海峡の水揚が始まれば入荷量も増え、手頃な価格になるようです。
 2012年1月5日 木曜日
『あけましておめでとうございます。』
 本日 1月5日 初セリが行われました。例年になく湾内産のマダラの入荷が多く、たくさんの仲卸・買参人の幾重もの人垣の中、鐘の音が鳴り響く5時15分。降りしきる雪を吹き飛ばすような威勢の良いセリ人の掛け声で本年最初のセリ取引が始められました。