5月30日 本日のお魚情報
『活き〆ホッケ』
 世界に生息するホッケ属にはホッケとキタノホッケの2種類が知られ、日本近海にはそのどちらも生息しますが、今回は北海道上ノ国町のホッケ『活き〆ホッケ』を紹介いたします。
 水産品も全国各地にブランド品がありますが、ホッケの産地で有名な北海道の「羅臼」・「礼文」等の脂の乗ったホッケを開きに加工した商品が、観光客のお土産やネット販売のお取り寄せで全国的に人気があります。本来、ホッケは北海道近海を回遊する魚で、その中でも岩礁に根付き大きく育った脂乗りの良い大型ホッケのことを「根ホッケ」といい、ブランドイメージを高めるステッカーなども取り入れ、高級魚並みに丁寧な取扱となっています。
 こうした中、北海道上ノ国町の蓄養ホッケは、通常ですと関東向けに活魚として三陸方面へ出荷されていました。しかし、震災により受け入れ施設が壊滅的な状況のため、今年初めて『活き〆ホッケ』として、週2回水揚げされたホッケを弊社で取り扱っております。ホッケは鮮度落ちが早い魚であるため、産地に直接、足を運ばないと中々お刺身で頂くことができない魚です。『活き〆ホッケ』は鮮度と脂乗りも最高です。
 是非、この機会に味わってみては如何でしょうか!但し、年間の供給量はまだ10トン程度で、販売できる期間は6月中旬までとなります
 2011年5月23日 月曜日
『シロウオ』
 5月も残り1週間ほどで終わりとなりますが、本日は例年5月いっぱいまで漁がある季節の魚「シロウオ」を紹介します。
 例年であれば5月のゴールデンウイーク期間中に水揚げが始まるシロウオ漁に、ようやくまとまった水揚げが見られてきました。シロウオ漁は、春の風物詩のひとつとなっておりますが、ここ数ヶ月の低水温の影響のせいか今年はいつもの年より10日ほど遅れ、中旬の13日より入荷が始まりました。先週までは1日あたり10箱(1箱あたり15袋)以下の低水準でしたが、今週から20箱前後と入荷が多くなってきました。
 国内では北海道南部から九州にかけて分布しており、国内では絶滅危惧U類のカテゴリに入っており、希少性の高い魚種のひとつになっています。青森県では外ケ浜町・蟹田川、鯵ヶ沢町・中村川、青森市・野内川に分布し、四つ手網で漁獲されます。当青森市場には野内川産の活シロウオが入荷しており、まさしくこの季節の旬の魚です。
 食べ方は活で流通されることから、酢醤油での踊り食いが最もおすすめで、そのほか卵とじや天ぷらもおすすめです。
 国内で消費される魚介類は輸入物が多く近海魚の比率が少ない中、地元で5月にしか水揚げがない文字通り季節感を味わえる貴重な味覚「シロウオ」を見かけることがありましたら、是非ご賞味下さい。
 2011年5月16日 月曜日
『山の春告げ魚』
 桜も散り、里には本格的な春がやって来ましたが、高い遠くの山々にはまだ雪が残っています。今年は山の雪解けが遅いようですが、次第に山菜の便りも届いてくるようになってきました。今回はそんな山菜にベストマッチする「うすめばる」をご紹介します。
 「めばる」にはいろいろな種類がありますが、青森で「めばる」というとこの「うすめばる」を指します。岩礁地帯の水深100mほどに生息し、体全体が赤っぽい、目の周りが金色で、キンキンと呼ばれる「キチジ」に姿形は似ていますが、色はそれほど赤くはありません。肉質は白身ですが、生ではピンク色で新鮮なら刺身でも食されます。青森での漁獲量は全国でも有数で、平成22年では小泊漁協の277,542kgを筆頭に深浦、東通村、八戸、三厩ほかを合わせて454,698kgもの水揚げ実績があります。特に6月は平成22年単月実績で179,861kgと年間の40%が水揚げされています。昭和50年代には1,000tを超える水揚げを誇りましたが、近年では400tあまりとなってしまいました。そこで、水揚げが大きく見込まれる刺網漁を6月〜8月に限定したり、幼魚を育てる漁礁を造ったりして資源保護に取り組んでいます。
その甲斐あって、津軽海峡の早い潮流による肉質の良さ、殺菌冷海水を使用した扱いのよさが評価され、「海峡めばる」と銘打ったブランド魚として首都圏や関西などの遠隔地においても大変な人気となっています。今の時期の5月は釣り物が出回っており高値を指しておりますが、刺網漁の始まる6月〜8月には、漁獲が増え値頃となってきます。特に根曲がり竹の出回る時期と重なることから、一緒に煮付けると大変美味な季節の風物詩となっております。ぜひ、この時期にご家庭で、煮付けにチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
 2011年5月9日 月曜日
『鮎魚女(あいなめ)』
 GWウイーク期間中、好天に恵まれ県内各地の観光地は、震災の影響によりストップしていた東北新幹線の前線開通や、東北自動車道の休日割引による県外観光客の桜前線に合わせた北上により、久しぶりの賑わいを見せていました。また震災に遭われた方々も招待などで来県されており、弘前公園の満開の桜の素晴らしさに、笑顔が綻んでいる映像がテレビニュースから伝わってきました。
 さて今回は、これから夏場に旬を迎える『鮎魚女』を紹介します。この魚の語源は諸説ありますが、沿岸の岩礁城に住み、鮎のように縄張りを持つ習性のため、「鮎のような魚」と言う意味で「鮎なみ」に転じてアイナメになったとも言われています。県内の漁法は、主に釣り又は籠漁が主体で、1月〜3月までの産卵期を除けば、年間を通して水揚げがあり、これから脂も乗って、9月いっぱいまで旬の味を堪能出来ます。お刺身も良いですが、郷土料理として有名な福島県相馬の「アイナメの味噌たたき」など、如何でしょうか。作り方は三枚におろし、皮をひいたアイナメの身と味噌を合わせ、包丁でたたくと言う簡単なもの「鰺のなめろう」より、ねっとりしていて美味いようです。是非、食してみては!!
 2011年5月2日 月曜日
『まぼや』
 5月に入り、大型連休も半ばになってきました。青森県内でも桜が満開の時期となり、花見に出かける方が多くなっています。桜の季節といえば、魚の王様「桜鯛」やこの時期の味覚「花見蟹(トゲクリガニ)」が多くなる時期ですが、今回はここ数年入荷のボリュームが多くなっている『まぼや』を紹介します。
 本県では食用としてなじみのある『まぼや』は、北海道、本州、四国、九州と広く生息していますが、三陸から北海道にかけ主に分布し、県内では青森市が主産地で、陸奥湾の味覚のひとつとなっています。当市場では4月に入ってから外ケ浜から平内にかけての天然物の入荷が増えはじめ、下旬から入荷量がさらに多くなってきました。ここ数日は近海売場一列のスペースをとるほど、その存在感を増してきています。特に、青森市久栗坂では養殖が行われており、8月にかけ月を追うごとに入荷が多くなります。旬は夏で天然物、養殖物共に同じ時期にその味覚を味わえる季節が間近です。
 ほやに含まれる成分には、タウリン、グルタミン酸、グリシン等のアミノ酸等の旨味成分が豊富で、低カロリー、低コレステロール食材ですので、健康食品としておすすめです。
 「ホヤはキュウリとともに肥える」という言葉がありますが、畑でキュウリが成育する晩春から初夏にかけ、海ではほやが育ち、味もよくなると言われるように、今月終わりから6月、7月にかけて美味しくなります。きゅうりのみならず、山菜の代表格「みず」とも相性の良い食材です。これからの季節で暑い日には、刺身、水物としても涼味感を味わえますが、海の幸・山の幸の2品で涼味メニューをお求めの方には、是非まぼやときゅうりやみずとの酢の物メニューをお召し上がり下さい。