3月29日 本日のお魚情報
生ニシン
 本日、福岡で桜満開のニュースが報道されていましたが、そこで春の魚の代名詞「春告魚 'ニシン'」を紹介致します。
国内の生息域は、主に北海道を中心に北日本に生息。本県では太平洋側で若干漁獲されます。今年の漁獲量は去年並みですが、北海道日本海産は例年より早めの水揚げとなり、年明け早々から入荷していました。現在は流氷とともに来遊するオホーツク海で漁獲されるものが入荷しています。北海道日本海産の水揚げは3月末で終漁。今後入荷の主力となるものは、オホーツク海産の流氷にのってきた「ニシン」ですが、こちらも流氷が岸から遠ざかるにつれ北へ移動するため、水揚げ量は減少傾向となります。
 北海道におけるニシン漁の主な時期は、礼文12〜1月、日本海側1〜3月、オホーツク海3〜5月、尾岱沼4〜5月となっています。漁法はオホーツク海はトロール、他は刺網で漁獲されます。今年のサイズは、北海道日本海産、オホーツク海産ともに1尾250gが中心規格で、例年が約150gであるのに対し大型サイズとなっています。
 メニューはシンプルで最も美味しい塩焼きのほか、かす漬け、酢漬け、煮付け、照焼、フライ、ムニエルなど。これからの時期、オホーツク海産物の脂乗りがよくなり、旬を迎え美味しく味わえます。
 是非この機会に、はるか北の国から流氷とともに訪れた春の味覚「春告魚」を味わい、食卓で春を実感しては如何でしょうか?
 2010年3月23日 月曜日
マグロ低温売場施設4月スタート
 絶滅の恐れがある野生動植物の輸出入を規制するワシントン条約の第15回締約国会議の第1委員会18日、大西洋・地中海産クロマグロ(本マグロ)の国際取引禁止案を、反対多数で否決されました。ほっと一安心と言いたいところですが、今後日本のマグロ資源回復における重責は重いものがあるのも事実です。
 実際、このまま適切に資源を管理せずマグロを消費し続けた場合、マグロをいずれ食べられなくなってしまう日がくるかもしれません。現在、日本国内でのクロマグロは1万5千トンあまりの漁獲があり、輸入物(大西洋・地中海産約2万トン)と合わせて4万トンと日本の消費マグロ全体(50万トン)の8%とされています。又、温かい地域に棲む脂の少なく缶詰などにされることが多いキハダ・ビンナガは、資源水準はまだ良好のランクですが、刺身として消費されるミナミマグロ、西部大西洋のクロマグロ、大西洋や東部太平洋のメバチの資源水準がもっとも低いとされており、今後の資源管理における日本の姿勢が問われていくでしょう。
 青森県はこれから、春から夏にかけ餌を求めて北上して来る、本マグロの好漁場とされ、また冬場は全国でも有名な『大間』ブランドや『海峡』ブランドを有しております。当市場では、消費者の皆様へ安心・安全なマグロを食べて頂くために、4月1日(木)より日量200本を保管出来るマグロ低温売場をスタート致します。
 2010年3月11日 金曜日
メカブ
 先日のチリの大地震では日本にも津波が押し寄せ気仙沼など三陸方面のカキやワカメの養殖施設に被害が及び、青森市場でもメカブの入荷量にも影響が出ています。過去には健康ブームの折、マスコミに大きく取り上げられバカ売れしたこともありましたが、その後国産原料が不足となり中国産原料も高騰し、平常に戻りました。しかし、最近またまたヌルヌル食品ブーム、そしてインフルエンザに効くなんて話がずいぶん巷を賑わし、ブーム再来の兆しが・・・。
 メカブとはワカメの根元(付着器)の上に位置する帯状の螺旋(らせん)葉体で、ワカメの生殖機能部位です。成実葉(せいじつよう)や胞子葉(ほうしよう)とも呼ばれます。古くは「海藻根(マナカシ)」と呼ばれ、奈良平安時代にはノリに次ぐ貢物とされ、乾燥品は、古くは民間薬としても利用されていました。近年、研究が進みその成分に注目が集まるようになりました。
 メカブは数億の胞子群の発生を内在させており、一つ一つの胞子は新しいワカメを生み出す生命力を潜在させており微量栄養素の宝庫となっています。ヌメリ成分には主に「アルギン酸」と「フコイダン」という水溶性の食物繊維が含まれ、ミネラルとしてはカルシウム、カリウム、マグネシウムを多く含み、鉄やヨードもバランスよく含んでいます。脂質としてはEPA(エイコサペンタエン酸)を含んでいます。そして、メカブやワカメ等の渇藻類にしか含まれていないカロチン「フコキサンチン」には、発ガン抑制効果があると発表されています。
 ここまで優れた機能があると将来的には人類の救世主たり得る長寿の薬がメカブから作られ簡単には口にできなくなってしまうのでは?ないかと思われるくらいです。メカブの旬は4月一杯ぐらいまでです。今のうちにたくさん食べておきましょう。
 2010年3月2日 火曜日
はまぐり
 3月3日は雛祭り(ひなまつり)。
 雛祭りといえば、はまぐりの吸い物が定番料理の代表格。また、平安時代の宮中では、忌日には外で遊ばないという風習があり、屋内ではまぐりを使った貝合わせという遊びが行われておりました。
 そこで、今回は古くは縄文の時代から食されていた貝の一つ「はまぐり」を紹介します。
「本ハマグリ」といわれる国産由来の物は、今はほとんど漁獲がない状態です。この時期の入荷は、雛祭り需要から日量約5トンで、この内9割以上が中国南通(上海の近く)産のシナハマグリで、残り1割に満たない物が国産のチョウセンハマグリとなっています。価格はチョウセンハマグリが中国産シナハマグリの3倍近くとなっていますが、昨年と比べると両方とも1割ほど安値となっています。尚、国産物は今の時期だけで、通常は中国産のみの入荷となっています。シナハマグリの主力サイズはお吸い物向けの35-30gが、入荷量の5割を占めます。また、チョウセンハマグリは、1個当り100g物が約7割の入荷となっています。
 貝類の旬は春。ハマグリは3月から5月にかけ身入りが良くなるので、大きめサイズは焼き物、酒蒸し、グラタンに、小型サイズはお吸い物に。
 家族でお祝いをする「雛祭り」に、「貝合わせ」の歴史をひもとき、親子の会話を楽しんでみてはいかがでしょうか?