12月28日 本日のお魚情報
金々
 クリスマスも終わり、今年も残り僅か。2009年も過ぎようとしています。しかし水産を扱う当社としては、これからがいよいよ年末モードへ突入です。
 今回は、赤物の代表格『金々』を紹介します。各地方によって呼び名「キンキン・メンメ・キチジ・メメセン・アカジ他」の違いはありますが、今日では、高級魚としてよく知られています。大正時代に釧路では動力船による底曳きが始まり、その頃は捕れ過ぎて金々のほとんどが肥料となってしまっていたという記述もあります。しかし、近年は乱獲によるのか?入荷量は減少傾向にあり年間を通して、価格は高値で張り付いている状況です。また、経済状況はデフレ傾向であるものの、金々については出漁の減船により相場は昨年の年末より15〜20%高となっており、特にロシア物の入荷減少が相場を押し上げているようです。
 各地方によって色々な食し方がありますが、「金々の煮付け」は身がたんぱくで今の時期は特に脂もたっぷりのり、また魚からの出汁・脂が特に美味しく最高の贅沢かと・・・。また、先日メディア等で紹介があった北海道の東部沿岸地域では金々を茹で上げ、ウスターソース(中濃ソース)を掛けて食するお湯煮の食文化がありましたが、機会があったら一度試してみたいものです。
 2009年12月21日 月曜日
マコガレイ
 師走も残り10日ほどで年越しを迎え、丑年から寅年となります。
 本日は、本県のカレイ類の中でも、およそ2割近い水揚げ量を占め、最もポピュラーなカレイのひとつ「マコガレイ(地方名:黒ガシラ、クチボソ)を紹介します。
 生息域は、北は北海道南部から南は有名な城下カレイの産地・大分までと広く分布しております。県内では八戸、三沢、むつ、外ケ浜などが主な産地で、市場にはむつ湾(外ケ浜、野辺地等)中心に、県西海岸や津軽海峡から入荷します。漁法は刺し網、定置網、トロール漁で漁獲されます。通年水揚げされ、1月が最も多く、2月にかけ盛漁期となります。12月は産卵時期で子持ち物が多く、卵が漏れないよう輪ゴムをかけた状態で入荷してきます。味・身質が城下ガレイ並みの津軽海峡産には、逸品の評価があります。
身質はきめ細かく肉質がしっかりしているので、メニューは煮付けのほか塩焼き、ホイル焼き、小ぶりなものは唐揚げ、また、活〆品などの鮮度の良いものは刺身で召し上がれます。
 真冬並みの寒さが続いております。冷え込んだ日の夕食には、子持ちマコガレイを煮付けて、価格的にもお買得で今月限定の味覚を是非ご賞味下さい。
 2009年12月16日 水曜日
ホッキ貝
  ハタハタが旬を迎え、うず高く積まれた魚箱のセリ場での存在感は圧巻ですが、その横の貝類売場では「ホッキ貝」が負けじと存在感を増してきています。
 青森市場での入荷は水揚げ日本一の苫小牧産を中心に北海道根室地区、噴火湾地区、常磐地区があり、禁漁時期が設定されているものの蓄養ものが出回るため一年中入荷があります。周年入荷があり普段は注目度がイマイチですが、12月に入り三沢をはじめとする青森県太平洋岸のホッキ貝の水揚げが始まると、俄然活気を帯びてきます。入荷量が増え価格がお手頃となり、量販店での販売量が増えるのがその理由ですが、北海道産をはじめとする他の産地でも極寒の海水温、そして春先の産卵期に備えはじめるこの時期は、身が締まりグリコーゲンをはじめとする旨みを蓄えた身質を堪能できる一番の時期となります。年末に向けてこれぞ青森の冬を代表する味覚とされる魚種がぞくぞくと入荷してくる時期にも重なっている折でも、東奥日報紙上では三沢市内のホッキ丼が掲載されたりと何かと今年は注目度が高いホッキ貝。ぜひ、新たな魅力発掘にまずはホタテ貝とは勝手の違う活貝の捌きに挑戦してみてはいかがだろう。
 2009年12月7日 火曜日
数の子
  師走に入り、今年も残り僅かとなってきましたね。当市場も一年を通して一番の繁忙期を迎えます。また全国的に年末には都心から地方へ帰省客の大移動があるのでしょうね?そしてお正月を迎えるにあたり各家庭の「おせち料理」がありますが、おせちの定番に欠かせない逸品の一つに『黄色いダイヤ』と称される主役的存在感のある数の子が彩りを添えています。数の子の粒の多さが子孫繁栄を連想させることから、徳川八代将軍・吉宗が縁起物(当時は干し数の子)としておせち料理に加えたとされ、語源は「かどの子」の訛りで近世までニシンを「かど(カドイワシ)」と呼んでいたことの名残であるとされます。しかし近年は、年間を通して比較的安価な味付け数の子がスーパー・量販店で販売されている為、太平洋物の高価な数の子を口にする機会が少なくなってきました。
今年のお正月は、普段と違う歯ごたえとプチプチとした食感を味わい食通の気分に浸ってみてはいかがでしょうか?
 
 相場情報としては、ロシア産物の品不足により金額ベースで、昨年より約4%程高値となっております。
【09年小売予想価格】
 ・ギフト製品・・・約k6,000〜約k9,000前後(アメリカ産・カナダ産)
 ・タル製品・・・約k1,500〜約k3,000前後(アメリカ産・カナダ産)
 2009年12月1日 火曜日
ハタハタ
  今回はお隣の県、秋田県の「県の魚・ハタハタ」を紹介します。
生息域は北海道から東北地方の太平洋側および山陰地方にかけての日本海側となっており、この時期は秋田県での漁獲がピークを迎えます。
 水深150〜400mの砂泥地に生息し、11月から12月の産卵期には沿岸の浅瀬に移動します。11月下旬はトロール漁、12月には産卵のため沿岸に来遊することから底建網漁になり、秋田音頭の歌詞で唄われている八森や船川、金浦など秋田県からの入荷が多くなります。青森県日本海沿岸もまた水揚げ最盛期となり、市場の上場数量も日量数百箱から多い時は数千箱となり、その光景に目を奪われます。今年の秋田県の漁獲枠は2,800トンで、現時点でのトロール漁による水揚げは日量約60トン。サイズは100g〜80gが中心で昨年の80g中心(2年魚)よりやや大きめと見ています。
 かつて日本の食文化では、いわし(焼き干し)をはじめ小魚は骨を丸ごと食べ、カルシウム補給のもとになっておりましたが、最近は魚離れの傾向が強まり、カルシウム摂取量も減っています。日本海産のハタハタは比較的骨が柔らかく、丸ごと食べることも出来るので、この機会に、鍋料理をはじめ天ぷらや田楽などで、カルシウム補給を含め冬の味覚「ハタハタ」料理をご賞味下さい。
 
 尚、「男鹿で男鹿ブリコ」のブリコ(ハタハタの卵)を採捕することは、「青森県海面漁業調整規則」や「秋田県漁業調整規則」で禁じられていますので、ご注意下さい。